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シーボルト来日200周年 Vol.6 シーボルトと川原慶賀 – 【公式】出島〜dejima〜

お知らせ

2023/09/01 復元整備室からのお知らせ
シーボルト来日200周年 Vol.6 シーボルトと川原慶賀

シーボルトが日本で研究を進めるには、その記録としての絵画を描く絵師が必要です。もともと出島に出入りし、オランダ人のために多くの絵を描いていた川原慶賀は、この役目に適任でした。シーボルトは、1825年にジャワからオランダ人画家デ・フィレネーフェを呼び寄せ、慶賀は彼から直接洋風画の技術を学び、調査研究のための絵画の描き方を会得しました。シーボルトの江戸参府にも同行し、各地で描いた風景のスケッチは、ヨーロッパで石版画の下絵にされ、『日本』に掲載されました。

出島では、シーボルト来日200周年を記念し、シーボルトと川原慶賀、二人の人物に焦点をあてた二つの企画展を開催します。

第1弾は「シーボルトの動物学・植物学」(会期8月10日(木)~10月1日(日))。シーボルトは医師であるかたわら、日本の動物や植物の研究に励み、その成果はヨーロッパで広く知られています。日本動物誌、日本植物誌には多くの種が掲載されていますが、その中から、日本で絶滅、あるいは絶滅が危惧される動物たち、カラフルな鳥や魚たち、美しく可憐な植物たちを紹介します。

第2弾「シーボルトと慶賀が見た長崎」(会期 10月13日(金)~12月10日(日))では、シーボルトが慶賀へ依頼し、または協力を得て、日本に関する様々な記録を残した経緯やその資料を紹介し、彼らの関係性や人物像、出島での暮らしぶりを紹介します。また令和4年度に制作した川原慶賀筆屏風『長崎湾の出島の風景』(複製品)をもとに、屏風に描かれた出島、新地荷蔵、長崎港など、シーボルトと慶賀が見た往時の長崎の景色や風俗に焦点をあて、シーボルトが滞在した前後の出島と長崎を紹介します。

日本研究という大きな課題に取り組む若い医師と、その目的のために腕をふるった絵師、この記念すべき年に、長崎出島を舞台に、全力で駆け抜けるように生きた彼らの姿に思いを馳せてみませんか。

(長崎市 出島復元整備室 学芸員 山口美由紀)

『日本植物誌』 フジ
京都大学理学研究科生物科学専攻図書室所蔵
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