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【出島和蘭商館跡 史跡指定100周年 Vol.11】出島の史跡整備⑤ 旧長崎内外クラブ – 【公式】出島〜dejima〜

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2023/02/21 史跡指定100周年記念コラム  
【出島和蘭商館跡 史跡指定100周年 Vol.11】出島の史跡整備⑤ 旧長崎内外クラブ

出島の東側に建つ「旧出島神学校」と「旧長崎内外クラブ」。明治時代に建てられたこの2棟の洋風建築は、出島が史跡に指定される前から変わらずこの場所で史跡整備の様子をずっと見守り続けてきました。史跡整備編最終回の今回は「旧長崎内外クラブ」を紹介します。

 明治32年(1899)、居留地制度が廃止され、壁がなくなった外国人と日本人の一層の友好を目的に、倉場富三郎らが発起人となり、国際的な社交の場である「長崎内外倶楽部」を設立、その後明治36年(1903)にF・リンガーによって現在の場所に新築移転されました。ホールや図書室、ビリヤード台やバーなどが置かれ、明治から昭和にかけ華やかな運営がなされましたが、戦後には倉庫として使用されます。

歴史あるこの建物の利活用を図るため、昭和43年(1968)、長崎市が買い取りと全面修復を行い、昭和49年度(1974)に「長崎市出島資料館」が開館しました。平成に入り、保存修理工事を行い、日蘭交流400周年の節目である平成12年度(2000)に「旧長崎内外クラブ記念館」として開館します。現在は1階をレストラン、2階を展示室や会議室として活用しています。展示室やレストランには会員の集合写真や名札入れ、ビリヤード台も…。約120年の歴史をもつ、鴬色の鎧戸が素敵なこの建物で、かつての会員たちと同じ場所とポーズで記念写真を撮るのも楽しいですよ。

出島が国の史跡に指定されて100年。これまでの整備で往時の姿を取り戻してきた今の出島を大切に守りながら、これからの整備を進めていきます。さて、次の整備は…?今後の出島にぜひご注目ください。

(長崎市 出島復元整備室 学芸員 和田奈緒)

旧長崎内外クラブ
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