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【出島和蘭商館跡 史跡指定100周年 Vol.10】出島の価値を考える⑤ 史跡と特別史跡 – 【公式】出島〜dejima〜

お知らせ

2023/02/17 史跡指定100周年記念コラム  
【出島和蘭商館跡 史跡指定100周年 Vol.10】出島の価値を考える⑤ 史跡と特別史跡

2022年は、出島が国の史跡に指定されてから100年目の節目の年。これまでの100年のあゆみを振り返り、また今後の100年について考える良い機会となりました。

 出島を後世に正しく伝え、受け継いでいくために、目指すべき方向の一つとして、出島を特別史跡に格上げしたいという計画があります。

 現在、日本国内の国指定史跡は1,808件、特別史跡は63件あります。長崎県の特別史跡は、原の辻遺跡(壱岐市)と金田城(対馬市)の2件、いずれも日本の歴史を語る上で欠かせない重要な遺跡です。

 出島はというと、江戸時代の日本を考えるうえで、他にはない唯一の役目を担った遺跡であり、その影響は海外にも及びます。扇形の島の姿はよく知られ、国内での認知度は非常に高い遺跡です。特別史跡になるための要件は整っているように思うのですが、なぜ、特別史跡ではないのでしょうか。

 現在、特別史跡になるためには、これまでに実施された調査の整理が行われ、公開されていること、そのうえで本質的な価値が明確となっていることが条件として挙げられます。出島では、遺跡の範囲確認調査に始まり、遺跡内の面的な発掘調査、そして島を巡る護岸石垣とその構造について、度重なる調査が行われてきました。この間は、常に新情報が飛び出し、成果が更新される可能性が高いため、まとめを行うという段階にはありませんでした。

 現在、これまでの約半世紀にわたる調査の積み重ねを、総括報告書にまとめ、出島の価値を明確にする取組みを行っています。これらの手順を踏んだ先に、特別史跡の扉が見えてきます。

 時代とともに今後も「変わる出島」、「変わらない出島」二つの顔を持ちつつ、2023年、次の100年に向けての1歩を踏み出したいと思います。

(長崎市 出島復元整備室 学芸員 山口美由紀)

出島表門と門松
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